新鋭、高梨悠介四段が初優勝! (新オセロ方式)
オセロは、日本で生れ育ち、1973年に帝国ホテルで第1回全日本オセロ選手権大会が開催されてから、それが日本全国へ、そして世界へと波及して行き、既に全日本オセロ選手権大会35回、世界選手権大会30回、名人戦28回、新棋戦王座戦2回が行われている。
チャンピオンを決めるためには、トーナメント方式が広く行われているが、新オセロ方式は、そのトーナメント方式を内蔵しながら、しかも参加人数に関係なく全員が同局打ち、その場ですぐ順位も決るオセロ独特の試合方式である。来年の第29回名人戦(3月27日、参加自由、於東京)もこの新オセロ方式で行われる。
さて、第8回上野オープン大会では定刻(12:00)に、出場者全員がクジを引いてその番号の席について、12時10分より試合開始。今回のシードは4人(中島、後藤、ローズ、谷田)で、全国大会又は世界大会優勝経験者である。上野オープン8回のうち、シード選手が優勝5回(中島八段3回、村上九段1回、冨永八段1回)、新鋭が3回(土田五段、高3の山川五段、中3の高梨四段)優勝。若手も常に育っているのが日本のオセロであり、世界選手権大会30回のうち日本代表が21回優勝している実績!
上野オープンは誰でも自由に参加できて、超一流選手とも対局時計を使って正式に対戦できる楽しい大会なのである。
ちなみに、第31回世界オセロ選手権大会はギリシャのアテネで開催(2007.11.29〜12.1)されるが、そこに参加する日本代表は、中島哲也、冨永健太、大野友弘、龍見有希子氏の4人で初優勝を目指す。
(寸評)
2人共決勝初出場の未知数の魅力をもつ選手。高梨四段(中3)は、一週間後のオセロ王座戦(於水戸、9.16)でも、村上、後藤、中島、谷田の超一流陣と打って2勝2敗の打ち分け。近い将来、全日本又は世界も狙える逸材である。
が才能を感じさせるA打ち! ここから局面は白に好転して行った。
終盤、時間に追われた黒が、   と疑問手を連打したために差は開いた。
黒 | | 中島 哲也 | 32 (引分勝) |
白 | | 佐藤 紘一郎 | 32 |
残り双方共19秒 |
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(寸評)
“調和”の中島は健在である。この2年間で6回行われているオセロ全国大会で3回(最多)優勝しているし、今年も第31回世界大会の日本代表(昨年は世界4位)になった。
は調和の中島のブラックライン通しの華麗なX打ちで黒優勢の局面である。
しかし、ここから時間の切迫から、双方共に疑問手続出。結局最後に間違った (6石損)が敗因となった。
☆戦い済んで日が暮れて
表彰式も終り、高梨君もDX-オセロを持って帰った後も、いつものように、まだ打ちたい選手達が打ち始めた。こちらの席では竹田恭子さん対田中道子さんがミラクルファイブに熱中、長考しながら「面白いわねえ。」と竹田さん。あちらの席では、佐野洋子五段対長尾広人六段がミラクルファイブに熱中。
ミラクルファイブとは、6月14日に帝国ホテルで正式に発表した新ゲームで、朝日新聞、日刊スポーツ、週刊文春、夕刊フジ、日経、等でも紹介されていて、これから毎月大会を行い、来年には第1回名人戦を開催する予定。川口勇気初段(中1、第1回ミラクルファイブ大会3位)の希望で、対局時計(20分持)を使って2局打つことにした。「あまり遅くなったらご両親が心配するんじゃない?」と誰かがいったが、「小学生じゃないんだから本人の希望通りします。」と答え2局打った。外野の森初段と次に打ち、その次は森対川口戦。手伝いのK氏も帰り、気がついたらオセロセンターには3人だけとなったがこれも楽しいデザートであった。
(長谷川五郎 記)
2007年9月9日(日)12:00〜18:00 於 上野オセロ囲碁センター
1R(5点) 2R(4点) 3R(3点) 4R(2点) 5R(1点)
【賞】 優勝 DXオセロ
1. 高梨 悠介 高梨 ○55 ○53 ○54 ○36 ○48 5勝 0敗
神奈川 四段 川口 谷田 下之 佐紘 伊純 15
【賞】 オフィシャルオセロ
2. 伊藤 純哉 伊純 ○43 ○34 ○32 ○39 ×16 4勝 1敗
北関東 初段 長崎 佐野 BR 中島 高梨 14
【賞】 四勝賞
3. 中島 哲也 中島 ○45 ○47 ○42 ×25 ○32 4勝 1敗
東京 八段 小林 下之 倉持 伊純 佐紘 13
4. B.ローズ BR ○40 ○47 ×32 ○39 ○48 4勝 1敗
東京 五段 田道 倉地 伊純 倉持 佐竹 12
5. 倉地 隆行 倉地 ○51 ×17 ○40 ○34.5○52 4勝 1敗
北関東 四段 大野 BR 渡敬 三屋 森高 11
【賞】 百人物語
6. 長崎 秀和 長崎 ×21 ○48 ○52 ○35 ○37 4勝 1敗
東京 四段 伊純 後宏 大野 田周 倉持 10
【賞】 三勝賞
7. 佐藤 紘一郎 佐紘 ○44 ○51 ○40 ×28 ×32 3勝 2敗
東京 二段 伊大 神田 三屋 高梨 中島 12
8. 佐竹 庸介 佐竹 ○41 ×27 ○51 ○35 ×16 3勝 2敗
北関東 三段 後宏 三屋 佐野 谷田 BR 10
9. 谷田 邦彦 谷田 ○39 ×11 ○49 ×29 ○35 3勝 2敗
東京 七段 龍見 高梨 神田 佐竹 三屋 9
10. 森 高宏 森高 ×28 ○33 ○40 ○32 ×12 3勝 2敗
東京 初段 下之 石原 竹田 佐哲 倉地 9
11. 神田 吉浩 神田 ○32 ×13 ×15 ○47 ○46 3勝 2敗
新潟 三段 杉崎 佐紘 谷田 佐野 渡敬 8
12. 佐藤 哲也 佐哲 × 8 ○41 ○42 ×32 ○48 3勝 2敗
東京 初段 渡敬 田道 小林 森高 田周 8
13. 大野 敦子 大野 ×13 ○40 ×12 ○36 ○34 3勝 2敗
東京 二段 倉地 渡英 長崎 竹田 小林 7
13. 川口 勇気 川口 × 9 ○43 ×21 ○37 ○42 3勝 2敗
北関東 初段 高梨 滝川 石原 田道 伊大 7
15. 後藤 宏 後宏 ×13 ×16 ○60 ○43 ○36 3勝 2敗
北関東 七段 佐竹 長崎 杉崎 石原 龍見 6
【賞】 二勝賞
16. 三屋 伸明 三屋 ○39 ○37 ×24 ×29.5×29 2勝 3敗
神奈川 二段 田周 佐竹 佐紘 倉地 谷田 9
16. 倉持 佑太 倉持 ○遅刻○49 ×22 ×25 ×27 2勝 3敗
東京 二段 石原 渡敬 中島 BR 長崎 9
18. 渡辺 敬一 渡敬 ○56 ×15 ×24 ○50 ×18 2勝 3敗
東京 二段 佐哲 倉持 倉地 下之 神田 7
19. 田中 周 田周 ×25 ○49 ○54 ×29 ×16 2勝 3敗
東京 1級 三屋 杉崎 伊大 長崎 佐哲 7
20. 佐野 洋子 佐野 ○41 ×30 ×13 ×17 ○43 2勝 3敗
東京 五段 渡英 伊純 佐竹 神田 下之 6
21. 伊藤 大将 伊大 ×20 ○46 ×10 ○45 ×22 2勝 3敗
佐紘 龍見 田周 小林 川口 6
22. 龍見 有希子 龍見 ×25 ×18 ○54 ○39 ×28 2勝 3敗
東京 六段 谷田 伊大 滝川 渡英 後宏 5
23. 田中 道子 田道 ×24 ×23 ○42 ×27 ○41 2勝 3敗
北関東 三段 BR 佐哲 渡英 川口 滝川 4
23. 石原 誠 石原 ×遅刻×31 ○43 ×21 ○45 2勝 3敗
東京 三段 倉持 森高 川口 後宏 竹田 4
【賞】 一勝賞
25. 下之園 廣蔵 下之 ○36 ×17 ×10 ×14 ×21 1勝 4敗
東京 三段 森高 中島 高梨 渡敬 佐野 5
25. 竹田 恭子 竹田 ○38 ×17 ×24 ×28 ×19 1勝 4敗
神奈川 四段 滝川 小林 森高 大野 石原 5
27. 小林 学 小林 ×19 ○47 ×22 ×19 ×30 1勝 4敗
東関東 二段 中島 竹田 佐哲 伊大 大野 4
28. 滝川 光明 滝川 ×26 ×21 ×10 ○51 ×23 1勝 4敗
東海 初段 竹田 川口 龍見 杉崎 田道 2
29. 渡辺 英明 渡英 ×23 ×24 ×22 ×25 ○42 1勝 4敗
東京 三段 佐野 大野 田道 龍見 杉崎 1
30. 杉崎 春美 杉崎 ×32 ×15 × 4 ×13 ×22 0勝 5敗
北関東 初段 神田 田周 後宏 滝川 渡英 0
※ この結果表は中島哲也氏作の SLIM を用いて作成しました。
http://www.othello.org/~nakaji/napp/
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