STAR CAMP 2002
2002年10月13日

参戦記:神田 吉浩

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4回戦

 昼食も終え、いよいよスターキャンプの試合再開。

 注目されるのは全勝同士の対戦、滝沢八段(新潟)対近内二段(東北)。結果は42.5-21.5で滝沢八段の勝利。

 ここまで全勝(かなり出来すぎ)の私の対戦相手は、今年の全日本選手権無差別の部東北代表で名人戦でも大活躍した久米五段。実はここまで私は東北オープンの2局目からの大会連勝が7。そしてその連勝前最後に負けた東北オープン1局目の相手が久米五段です。リベンジを狙うも、いきなり序盤から悪くなる。粘るものの生涯初の引き分け負け。7連勝でストップ、それも連勝前の負けと同じ相手に負けてストップ。
神田三段談「引き分け勝ちの権利を取れなかったのが敗因」

と言う事で、4局終了時で滝沢八段(新潟)がただ1人の全勝者となりました。

1敗同士の対戦の結果は、
佐々木二段(新潟)対門馬初段(東北)は56-8で佐々木二段の勝ち。
吉田三段(東北)対奥野二段(東北)は50-14で吉田三段の勝ち。

 気になる(?)東北の秘密兵器・石田2級は、鈴木(信)二段を46-18で下し、新潟チームの有段者を相手に2連勝、3勝1敗として秘密兵器の看板に偽りのないことを証明しました。
4回戦終了時の上位10人は以下のとおり。
1位  滝沢八段(新潟)    4勝0敗  178.5石 
2位  吉田三段(東北)    3勝1敗  174石
3位  高橋二段(東北)    3勝1敗  173.5石
4位  石田2級(東北)    3勝1敗  169石
5位  鈴木(竜)四段(東北) 3勝1敗  168.5石
6位  谷野三段(東北)    3勝1敗  168石
7位  近内二段(東北)    3勝1敗  163.5石
8位  久米五段(東北)    3勝1敗  161石
9位  工藤初段(東北)    3勝1敗  157石
10位 佐々木二段(新潟)   3勝1敗  151石
  東北の高橋二段と東北の秘密兵器・石田2級の躍進が目立ちます。相変わらず東北が上位10人中8人を占めています。
4局目の東北・新潟のチーム戦は東北の8勝4敗、4局トータルでは東北チームの29勝19敗。
4回戦にして早くも10勝の差が出ました。東北チーム圧勝のムードです。




礼服のオセラー登場!
5回戦

 友人の披露宴に出席していた梅沢四段が礼服のまま登場。参加人数が奇数になったため、東北の選手から1人不戦勝が出るこことなった。その場合の獲得石数は40-24の扱いとなる。


 ここで、大会の流れを大きく変える出来事が起こりました。東北の高橋二段が、全勝の滝沢八段を33-31で破ったのです。ここまで過去4回のスターキャンプは全て全勝優勝、今大会の優勝候補筆頭の敗戦に優勝争いは一気に混戦状態となりました。
 そうなるとここまで1敗につけていた選手にも優勝の可能性が出てきます。

4回戦終了時に2位につけていた東北の吉田三段は、礼服のオセラー・梅沢四段に21-43で敗れ2敗となりました。
5位につけていた東北の鈴木(竜)四段は松澤二段に39-25で勝ち、1敗を守りました。
6位につけていた谷野三段(東北)は同じく1敗で10位につけていた佐々木二段(新潟)に23-41で敗れ2敗に。佐々木二段が1敗を守りました。
7位につけていた近内二段(東北)は鈴木(信)二段(新潟)に41-23で勝ち1敗を守りました。 4回戦で私に勝ち1敗で8位につけていた久米五段(東北)は奥野二段(新潟)に31-33で敗れ2敗になりました。奥野二段はこれで久米五段に4連勝とのことです。
9位につけていた工藤初段(東北)は五十嵐三段(新潟)に22-42で敗れ、2敗となりました。

 ここまで1敗で来ている私の対戦相手は、東北の秘密兵器・石田2級。緒戦で佐々木二段(新潟)に接戦で敗れたものの、松澤二段・鈴木(信)二段に勝ってのこちらも3勝1敗、なんと4位につけています。もちろん私とは初対戦。前日の前夜祭で梅沢四段を破り、私を恐怖のどん底に叩き落したのは前述したとおりです。対戦が発表されたとき「(4回戦に続き)また負けるー」と叫んだのは作戦ではなく本音です。
 序盤に最近は使わないでいた変化(実践譜としてはあまり数が無い変化のため、研究されてないだろうと思った)を使ってミス誘いを試みるが不発…と思えた中盤、ようやく訪れた石田2級の悪手をついて局面逆転、53−11で勝ちました。これで今日の勝ち越し決定(^^)。感想戦でこの変化について聞くと「ネットで○○さん(某有名プレーヤー)によく打たれる手。苦手な進行だった」とのこと。苦手とは言え、この進行を知っていたのか……と、その豊富な知識量にまた驚かされました。実はこれが今大会一番うれしい勝利かもです。

 苦戦する新潟チームにひとつの朗報が入りました。今大会最年少の小学生遠藤翼2級が、なんと東北の有段者を破って2勝目をあげたのです。2勝したら座布団を使ってもよいとのルールのもと、両手で座布団を抱えて立つ遠藤2級の姿はとても輝いていました。
5回戦終了時の上位10人は以下のとおり。
1位  滝沢八段(新潟)    4勝1敗  209.5石 
2位  鈴木(竜)四段(東北)  4勝1敗  207.5石
3位  高橋二段(東北)    4勝1敗  206.5石
4位  近内二段(東北)    4勝1敗  204.5石
5位  神田三段(新潟)    4勝1敗  201石
6位  佐々木二段(新潟)   4勝1敗  192石
7位  吉田三段(東北)    3勝2敗  195石
8位  久米五段(東北)    3勝2敗  192石
9位  谷野三段(東北)    3勝2敗  191石
10位 石田2級(東北)    3勝2敗  180石
4勝勢が6人(東北3人、新潟3人)、石数も僅差である。次の1敗は即優勝争いからの脱落を意味します。
東北・新潟のチーム戦は6局目にして初めて新潟チームが7勝6敗と1点勝ち越しました。5局のトータルでは東北チームの35勝26敗となっています。




休憩タイム

 東北の工藤本部長から仙台名物の銘菓「萩の月」の差し入れがありました。ありがとうございます。脳ミソのスタミナ切れには甘いものが一番です。
 和室なので、そこかしこに横になるものもでてきました。さぁ、この楽しいイベントも残りあと2局です。




礼服のオセラー談 『東北つえぇ〜』
6回戦

 注目の優勝争い。

 1敗同士で、ここまでの1位と2位の対戦でもある東北の鈴木(竜)四段対新潟の滝沢八段との対戦がここでの最大の注目カード。結果はチーム全体の勢いの差でしょうか、鈴木四段が滝沢八段を36-28で破り、優勝争いに踏みとどまりました。優勝候補筆頭・滝沢八段は最終戦を待たずに優勝の可能性は無くなりました。前夜祭で「滝沢さんに勝つ」と公言していた鈴木四段の執念が見事その実を結びました。
工藤初段談「(鈴木四段は)前の日に俺に負けると大会は調子良い」

 私の対戦も1敗同士。相手は、昨年のカナダ選手権2位の近内二段。ここまで滝沢八段に敗れたのみの4勝1敗。ここまで奥野二段、鈴木(信)二段を破っての4勝です。おととしのスターキャンプで彼に敗戦した私にとっては、ようやく訪れたリベンジのチャンスです。しかし終始不利な局面。終盤起死回生を狙った勝負手を放つが届かず、27-37でリベンジならず。2敗を喫し優勝争いから脱落してしまいました。

 東北の高橋二段は礼服のオセラー・梅沢四段に49-15で勝ち、1敗を守りました。
 佐々木二段(新潟)は、吉田三段に37-27で勝ち、新潟で唯一の1敗組に残りました。
佐々木二段談「(吉田三段とは)全日本前の練習会で、圧倒的に有利な状況から負けてしまったことを思いだし、落ち着いて打つように心がけて打ちました。」

 ここで小学生の遠藤翼2級がまた東北の有段者を破りました。これで3勝3敗です。もはや新潟の救世主と言っても良いでしょう。正座して盤面を見据える姿勢のよさは参加選手中ナンバーワンだったかもしれません。将来、遠藤2級がその名のとおり翼を広げて全国を舞台に活躍する予感がしてくる…そんな大会となりました。
6回戦終了時の上位10人は以下のとおりです。
1位  高橋二段(東北)    5勝1敗  255.5石
2位  鈴木(竜)四段(東北) 5勝1敗  243.5石
3位  近内二段(東北)    5勝1敗  241.5石
4位  佐々木二段(新潟)   5勝1敗  229石
5位  滝沢八段(新潟)    4勝2敗  237.5石
6位  久米五段(東北)    4勝2敗  235石
7位  神田三段(新潟)    4勝2敗  228石
8位  石田2級(東北)    4勝2敗  224石
9位  安島二段(東北)    4勝2敗  218石
10位 上澤二段(東北)    4勝2敗  205石
優勝争いは、滝沢八段(新潟)と私の2人が減って1敗の4人。東北チームが上位3人を占めています。
6回戦での東北・新潟のチーム戦は東北の9勝4敗。6回戦までのトータルで東北の44勝30敗で、最終戦を待たずに東北チームの勝ち越しが決定しました。


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