STAR CAMP 2002
2002年10月13日

参戦記:神田 吉浩

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7回戦(最終戦)

 いよいよ最終戦。この楽しいお祭りも大詰めとなりました。
 ここで優勝争いを演じている1敗の4人の6回戦までの足取りを振り返ってみましょう。
高橋二段(東北)
1回戦 山崎      ○45 
2回戦 神田三段    ×28
3回戦 中村1級    ○45
4回戦 岩坂初段    ○55.5
5回戦 滝沢八段    ○33
6回戦 梅沢四段    ○49

鈴木(竜)四段(東北)
1回戦 神田三段    ×31
2回戦 福地1級    ○54.5
3回戦 佐々木二段   ○36
4回戦 五十嵐三段   ○47
5回戦 松澤二段    ○39
6回戦 滝沢八段    ○36

近内二段(東北)
1回戦 門馬初段    ○33
2回戦 中村1級    ○55
3回戦 奥野二段    ○54
4回戦 滝沢八段    ×21.5
5回戦 鈴木(信)二段 ○41
6回戦 神田三段    ○37

佐々木二段(新潟)
1回戦 石田2級    ○33
2回戦 安島二段    ○34
3回戦 鈴木(竜)四段 ×28
4回戦 門馬初段    ○56
5回戦 谷野三段    ○41
6回戦 吉田三段    ○37
(これを書いていて気づいたこと、「俺、優勝を左右する勝負をしていたのか…」)


結果が気になる!
 ここで誰が誰と対戦するかが注目されるわけですが、ここまでの東北トップの高橋二段と新潟トップの佐々木二段はまだ対戦していないのですんなりと対戦が決定。
 東北2位の鈴木(竜)四段は、新潟2位の滝沢八段・新潟3位の神田三段と既に対局を終えているので、ここに新潟実力No.2の礼服のオセラー・梅沢四段(やや酒が入っている点が不安材料)が対戦することとなった。
 東北3位の近内二段も、鈴木四段同様新潟2位の滝沢八段・新潟3位の神田三段との対戦を終えているので、ここまで3勝3敗の五十嵐三段(しらふであることが不安材料?)が対戦することとなった。

さて注目の優勝争いに絡む対局の結果は次のとおりとなりました。
1敗同士の佐々木二段(新潟)対高橋二段(東北)は48-16で佐々木二段の勝ち。
鈴木(竜)四段(東北)対梅沢四段(新潟)は34-30で鈴木四段の勝ち。
近内二段(東北)対五十嵐三段(新潟)は37-27で近内二段の勝ち。

 ちなみに優勝争いから蚊帳の外となった私の対戦相手は、今年の全日本選手権マスターの部東北代表で前夜祭ボウリング優勝者・安島二段。過去スターキャンプで2連敗している相手なので、どうしてもリベンジしたい。「ボウリングが良かった人には、負けたくないなぁ」などと言って気合を入れたものの、力みにつながったのか、それとも7戦目でスタミナ切れをおこしたのか、またまたいきなり序盤から不利に(今日は序盤不利が多い)。中盤以降になんとか小刻みに挽回し(さっき食べた萩の月が脳ミソに栄養を補給したのか?)、40-24でリベンジ達成。5勝目をあげる。

そして注目の上位10名の最終成績は以下のとおりとなりました。
優勝  近内二段(東北)    6勝1敗  278.5石
2位  鈴木(竜)四段(東北) 6勝1敗  277.5石
3位  佐々木二段(新潟)   6勝1敗  277石
4位  久米五段(東北)    5勝2敗  282石
5位  滝沢八段(新潟)    5勝2敗  275.5石
6位  高橋二段(東北)    5勝2敗  271.5石
7位  神田三段(新潟)    5勝2敗  268石
8位  谷野三段(東北)    4勝3敗  279石
9位  谷初段(東北)     4勝3敗  261石
10位 吉田三段(東北)    4勝3敗  256石
近内二段(東北)が見事混戦を抜け出し、優勝を決めました。

 近内二段は3回戦で奥野二段に勝ち、4回戦で優勝候補筆頭・滝沢八段に1敗を喫するも、5回戦で鈴木(信)二段、6回戦で神田三段、7回戦で五十嵐三段をなぎ倒し、堂々の6勝1敗。昨年彼が語学留学中にカナダ選手権2位に入ったニュースは我々を驚かせましたが、手ごわいプレーヤーが東北に復帰したものです。

 優勝とはわずか1石差の2位には、今年の全日本選手権フレッシャーの部優勝・鈴木(竜)四段(東北)が入りました。1回戦で神田三段にわずか2石差で破れての黒星スタートでしたが、3回戦で今日絶好調の佐々木二段を、4回戦で五十嵐三段を、そして何と言っても6回戦で優勝候補筆頭・滝沢八段を破り、最後も実力新潟No.2の礼服のオセラー・梅沢四段を破っての6勝1敗は優勝に勝るとも劣らない成績です。(今にして思えば、1回戦の私との2石差負けが大きい)

 2位とわずか0.5石差の3位には、今年の全日本選手権フレッシャーの部5位・佐々木二段(新潟)が入りました。1回戦で神秘のヴェールに包まれた東北の秘密兵器・石田2級にいきなり対戦を組まれたプレッシャーは相当なものであったと思います。石田2級を下した後も、2回戦で安島二段に勝ち、3回戦で鈴木(竜)四段に敗れたものの、4回戦で門馬初段、5回戦で谷野三段、6回戦で吉田三段、7回戦で高橋二段と東北の誇る強豪を倒し、新潟で唯一の6勝をあげました。昨年のスターキャンプで「水のシャワー事件」と一部の新潟のプレーヤー間で語り継がれるだろう事件の影響(?)で新潟勢7人中唯一の負け越しをした借りを見事に返しました。

 5勝2敗の石数トップで4位に入ったのは、7回戦で小学生・遠藤2級を47-17で退けた久米五段(東北)が入りました。5回戦で2敗目を喫して終盤の優勝争いには加われませんでしたが、名人戦3位の実力を新潟チームの前に披露しました。

 5位には優勝候補筆頭だった滝沢八段。高橋二段と鈴木(竜)四段に敗れての2敗を喫し、初めてスターキャンプの優勝を逃しました。来年はきっとリベンジに燃え、実力No.1の棋力を発揮するでしょう。

 6位には高橋二段(東北)が入りました。最終局で惜しくも佐々木二段に敗れましたが、最後まで優勝を争っての5勝は見事という他ありません。特に5回戦の滝沢八段を破った1戦は今大会最大のハイライトでしょう。

 初段の権利を獲得できる5勝目に挑んだ「東北の秘密兵器」石田2級は、滝沢八段に26−38で破れ、惜しくも初段の権利を獲得できませんでした。しかし彼の実力は既に有段者のレベルにあり、初段は近い将来に自然と獲れるでしょう。いや、彼の場合初段は単なる通過点にしか過ぎないかもしれません。

 7回戦の東北・新潟のチーム戦は東北の8勝5敗、最終成績は東北が52勝、新潟が35勝で東北チームの地滑り的圧勝で終わりました。 本当に今年の東北チームは、まるで津波が押し寄せるかのような圧倒的強さを見せました。

 個人的にはこのメンバー相手に5勝2敗は満足です。1歩間違えば勝ち越しすら危ういメンバーですから…。7局という長丁場をスタミナ切れ寸前になりながら耐えた自分を誉めたい気分。

 珍しいことにこの大会、不戦勝を除いても全敗者が1人も出ませんでした。



表彰式

 優勝商品は五十嵐三段(新潟)提供の日本酒「五十嵐川」。五十嵐三段が作ったお酒です(大嘘)。優勝した近内三段(東北)に授与されました。滝沢八段からもロイヤルロードが未購読者の最上位の選手に授与されました。
 優勝から3位まで賞状が授与されましたが、賞状の名前書きは東北の鈴木(竜)書道七段(オセロとあわせて11段!)が担当、オセロ以外にも非凡な才能があることを披露しました。また優勝した近内三段の抽選により五十嵐三段提供の「農薬を1回しか使っていないコシヒカリ」が数袋賞品として渡されました。また東北の工藤本部長より新潟のプレーヤーに日本手ぬぐいが渡されました。前日行われたボウリング優勝の安島二段の表彰、1ヶ月前の東北オープンで初段獲得した工藤東北本部長の初段授与式も併せて行われました。
 勝った者も負けた者も晴れやかな表情でした。

 「家に帰るまでがスタキャンです。」東北からの遠征者にとっては、もう少しスタキャンが続きます。途中でお土産に新潟の地酒(かなり希少銘柄)を購入して帰った者もいたようです。(なんか酒に始まって、酒で終わった大会っぽいです)


最後に

 新潟でスターキャンプをするにあたり、遠路はるばる来ていただいた東北チーム皆さんに感謝いたします。中には職場の運動会等の行事に重なったにもかかわらず参加いただいた方もいらっしゃるという噂も耳にいたしました。本当にありがとうございました。特に工藤本部長におかれましては東北プレーヤー間の連絡、宿泊の手配、仙台組の引率、対局時計やオセロ盤等の備品における手配等の多岐にわたってのご尽力をいただき本当に感謝いたします。

 この一年で東北勢は久米五段が名人戦で3位に、鈴木(竜)四段は全日本選手権フレッシャーの部で優勝と着々と実績を上げてきています。選手層が厚くなり個々のレベルが上がってきているように思います。これからも若手とベテランが競い合って一層のレベルアップがあることでしょう。

 新潟勢でも個々の万障を繰り合わせて大会に参加していただいた方々に感謝いたします。特に新潟勢の精神的支柱となっていただいき、また賞品提供していただいた滝沢新潟新支部長と五十嵐三段。スターキャンプのホームページを作成し、またネット上で幾度と無く会議の場を設けてくれた佐々木二段。東北のプレーヤーとのパイプ役を買ってくれ、運営上必要な数々の提言をしてくれた奥野二段に感謝いたします。

 後日談ですが、新潟勢で今回初めてスターキャンプに参加し、1勝に終わったプレーヤー(本人はかなりへこんでいたそうです)が、先日ネット上で、以前は全く歯が立たなかった某有段者に初めて勝ちました。私が思うには、今回のスターキャンプでの経験がその人のオセロを変えたのでは?と思っています。今年のスターキャンプのまいた種が着実に芽を出しつつある。そんな感想を持ちました。

 来年はスターキャンプ発祥の地・郡山で第5回目が行われます。また会いましょう。
 ただひとつ心配な点があります。それは
 「来年もボウリングがあるのでしょうか…」


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