2006新潟ブロック大会  

2006/06/11
新潟市万代市民会館 スイス式トーナメント6回戦 持ち時間各20分秒ヨミなし
引き分けなし


大会の経過

昨年の代表2人が不参加(1人はシード、もう1人は無謀にも東京ブロック挑戦)、一昨年のブ
ロックチャンピオンも不参加、昨年のブロック大会4位5位も不参加、

運営側はやむなく「参加人数や参加者の段級位等を勘案して、上記基準をあてはめるレベルに
達していないと運営者が判断した場合は、対局開始前に告知することにより、上記基準より認
定する段級位を下げることがあります。」にもとづいて、優勝を二段・5勝1敗を初段・4勝2敗
を1級・・・と段級位認定基準を下げる措置を施す事態。

そんな中でも代表争いとなれば、梅沢四段・松沢二段を軸に展開されると思われた。
しかし
1回戦 梅沢四段 32-32 富山選手(富山選手 引分勝ち)
    松沢二段 31-33 本田選手
と、早くも波乱が起きた。

そして2回戦、軸と思われた2人が1敗同士で激突する。
    梅沢四段 49-15 松沢二段
松沢二段が2連敗スタートと追い込まれた。
また1回戦で優勝候補を食った2人の直接対決の結果は
    本田選手 44-20 富山選手
となった。観戦していた滝沢八段が本田選手の終盤を「隙がない」と評する1局であった。

ところで今回は参加者が15名。奇数要員の昆氏を加え16人。引き分けがないためちょうど
4回戦で全勝が1人になる。ラウンド数は6。全勝が1人になるラウンド数+2である。これ
はスイス式トーナメントにおいては理想的に1位を選出できるラウンド数と紹介しているペ
ージもある。ということは番狂わせがあっても最強者が1位になる確率が高い。その意味で
も梅沢四段の動きが注目される。

4回戦での全勝対決
    針井初段 33-31 本田選手
針井初段は昨年のブロック大会3位。その苗字から「魔法使い」とも言われるが、その名で
呼ばれる理由はあながち苗字のせいだけではない(私はその魔法使い振りを身をもって体験
している・・・謎)。
予想通り(?)梅沢四段は1敗の石差トップ。松沢二段は2敗の石差トップで虎視眈々と代表
の座を狙う。

5回戦
誰もが針井・梅沢戦を予想した。しかしSLIMがはじき出した組合せは、針井・富山戦。
富山選手は生オセロにデビューしてまだ数ヶ月だが、申請さえしていれば初段を取得できた
実力者。現に1回戦で梅沢四段に引分勝ちを収めている。
結果は
    針井初段 39-25 富山選手
針井初段全勝キープ。富山選手は2敗に後退。
前ラウンドで熱戦を演じ惜しくも1敗になった本田選手は、敗戦が尾を引いたのか梅沢四段に
大敗を喫してしまい、代表争いに残れなかった。

5回戦終了時の上位選手
1位 針井初段 5勝   +126
2位 梅沢四段 4勝1敗 +190
3位 松沢二段 3勝2敗 + 60
4位 富山選手 3勝2敗 + 52

6回戦の組合せは 針井初段VS梅沢四段 松沢二段VS富山選手 となった。
石差から考えて、針井・梅沢戦の勝者が優勝、敗者が2位となり、代表争いは既に終わってい
るように見える。しかし針井初段が日程の都合で代表を辞退するらしいことは選手間で既にさ
さやかれていた。
そうなると3位争いの松沢・富山戦が、他の3勝2敗者との石差から考えた場合に、勝者がその
まま3位になる確率が高い。

そして運命の6回戦
    梅沢四段 41-23 針井初段
    松沢二段 33-31 富山選手

梅沢四段の逆転優勝。針井初段は、昨年最終局で神田三段の全勝優勝を阻んだが、今年は最終
局で全勝優勝を阻まれた。同時にあと一歩で二段昇段とチャレンジカップ卒業を逃した(梅沢
四段はチャレンジカップの人数確保に貢献した・・・汗)。

圧巻は3位争いを勝った松沢二段であった。かなりの不利局面からの2石差勝ち。そして針井初
段の代表辞退で無差別代表をもぎ取った。
元来、松沢二段はブロック大会ことに代表権がかかる試合には豪腕を発揮する傾向を持つ。
それはあたかもブロック大会に棲む魔物を屈服させる術を知っているかのように見える。
2敗した時点で本来ならば代表権はかなり絶望視されるが、長い間ブロック大会で鎬を削って
きた者にとっては「結局は松沢さんが・・・」と思わせる強さを私は感じる。

代表の皆さん。代表を目指しながら散っていった者達の怨念(?)を背負って、全日本選手権
頑張ってください(汗
    
 

最終結果

 1. 梅沢 佳紀 梅沢  ×  0 ○+34 ○+64 ○+46 ○+46 ○+18  5勝 1敗 0分 無差別の部代表
    新潟      四段  富山  松沢  蛸井  折谷  本田  針井          +208
 2. 針井 光   針井  ○+32 ○+50 ○+28 ○+ 2 ○+14 ×-18  5勝 1敗 0分 代表辞退
    新潟      初段  佐剛  内山  岩坂  本田  富山  梅沢          +108
 3. 松沢 隆   松沢  ×- 2 ×-34 ○+58 ○+32 ○+ 6 ○+ 2  4勝 2敗 0分 無差別の部代表
    新潟      二段  本田  梅沢  昆    澁谷  岩坂  富山           +62
 4. 本田 正治 本田  ○+ 2 ○+24 ○+27 ×- 2 ×-46 ○+30  4勝 2敗 0分
    新潟            松沢  富山  渡伸  針井  梅沢  岩坂           +35
 5. 内山 豪   内山  ○+40 ×-50 ×-28 ○+24 ○+17 ○+20  4勝 2敗 0分 1級申請
    新潟      2級  高井  針井  折谷  瀬藤  蛸井  渡伸           +23
 6. 渡辺 弘   渡弘  ○+ 4 ×- 2 ○+12 ×-46 ○  0 ○+18  4勝 2敗 0分
    新潟            蛸井  渡伸  澁谷  富山  折谷  瀬藤           -14
 7. 富山 翔   富山  ○  0 ×-24 ○+44 ○+46 ×-14 ×- 2  3勝 3敗 0分
    新潟            梅沢  本田  高井  渡弘  針井  松沢           +50
 8. 岩坂 龍次 岩坂  ○+24 ○+24 ×-28 ○+30 ×- 6 ×-30  3勝 3敗 0分
    新潟      初段  折谷  澁谷  針井  渡伸  松沢  本田           +14
 9. 折谷 泰朋 折谷  ×-24 ○+20 ○+28 ×-46 ×  0 ○  0  3勝 3敗 0分
    新潟            岩坂  瀬藤  内山  梅沢  渡弘  高井           -22
10. 渡辺 伸   渡伸  ○+ 6 ○+ 2 ×-27 ×-30 ○+12 ×-20  3勝 3敗 0分
    新潟            昆    渡弘  本田  岩坂  佐剛  内山           -57
11. 佐藤 剛   佐剛  ×-32 ×-28 ×-12 ○+40 ×-12 ○+24  2勝 4敗 0分
    新潟            針井  高井  瀬藤  昆    渡伸  蛸井           -20
12. 瀬藤 遥香 瀬藤  ×-25 ×-20 ○+12 ×-24 ○+24 ×-18  2勝 4敗 0分 小学生の部代表
    新潟            澁谷  折谷  佐剛  内山  昆    渡弘           -51
13. 高井 恒浩 高井  ×-40 ○+28 ×-44 ×-30 ○+26 ×  0  2勝 4敗 0分
    新潟            内山  佐剛  富山  蛸井  澁谷  折谷           -60
14. 蛸井 正二 蛸井  ×- 4 ○+ 8 ×-64 ○+30 ×-17 ×-24  2勝 4敗 0分
    東京            渡弘  昆    梅沢  高井  内山  佐剛           -71
15. 昆 飛雄太 昆    ×- 6 ×- 8 ×-58 ×-40 ×-24 ○+36  1勝 5敗 0分
    車の中          渡伸  蛸井  松沢  佐剛  瀬藤  澁谷          -100
16. 澁谷 優香 澁谷  ○+25 ×-24 ×-12 ×-32 ×-26 ×-36  1勝 5敗 0分 小学生の部代表
    新潟            瀬藤  岩坂  渡弘  松沢  高井  昆            -105

※ この結果表は中島哲也氏作の SLIM を用いて作成しました。
         http://www.othello.org/~nakaji/napp/


優勝した梅沢四段のコメント
「最終戦、ハリーの魔法にかからなくて良かった」