2009年新潟地区名人戦
2009/01/25 新潟市万代市民会館
5回戦総当たり 持ち時間各20分秒ヨミなし 引分有り

1. 神田 吉浩 神田  ○+ 2 ○+42 ○+28 ×-20 ○+11  4勝 1敗 0分
   新潟      三段  梅沢  朝比  針井  藍原  小展           +63
2. 藍原 重朗 藍原  ○+24 ×- 6 ×-24 ○+20 ○+40  3勝 2敗 0分
   新潟      二段  朝比  小展  梅沢  神田  針井           +54
3. 小林 展世 小展  ○+22 ○+ 6 ×-24 ○+ 8 ×-11  3勝 2敗 0分
   新潟      二段  針井  藍原  朝比  梅沢  神田           + 1
4. 梅沢 佳紀 梅沢  ×- 2 ○+14 ○+24 ×- 8 ×-18  2勝 3敗 0分
   新潟      四段  神田  針井  藍原  小展  朝比           +10
5. 朝比奈 諭 朝比  ×-24 ×-42 ○+24 ×-22 ○+18  2勝 3敗 0分
   新潟      二段  藍原  神田  小展  針井  梅沢           -46
6. 針井 光   針井  ×-22 ×-14 ×-28 ○+22 ×-40  1勝 4敗 0分
   新潟      初段  小展  梅沢  神田  朝比  藍原           -82

※ この結果表は中島哲也氏作の SLIM を用いて作成しました。
         http://www.othello.org/~nakaji/napp/



滝沢雅樹王座による観戦記


筆者が会場に到着した時は、2回戦も中盤に差し掛かったところ。神田三段と小林二段が2連
勝で優勝争いをリードする。奇しくもこの両者の直接対局が最終局に組まれていた。そして、
3回戦を終え、神田三段3勝、小林二段2勝3位で4局目を迎えた。


4回戦

藍原 VS 神田
|53|44|43|60|59|35|46|49|
|54|40|26|32|14|29|48|50|
|38|30|33|11|05|08|28|27|
|41|31|13|()|##|04|12|47|
|42|37|06|##|()|01|07|16|
|39|36|17|15|03|02|09|34|
|52|57|22|18|10|25|45|51|
|55|58|20|23|19|21|24|56|

中盤で優勢を築いた藍原二段が、そのまま押し切り、ついに神田三段の進撃を止めた。3勝2敗
優勝の可能性をわずかに残した。

梅沢 VS 小林
|51|50|12|22|20|23|24|55|
|36|49|09|07|15|25|56|52|
|35|34|02|03|04|16|10|31|
|32|13|01|()|##|05|11|18|
|39|30|08|##|()|14|17|26|
|37|19|38|06|21|28|27|29|
|40|43|41|48|42|33|53|44|
|46|57|58|47|54|59|60|45|

10の奇襲に、いきなり長考を余儀なくされる梅沢四段。ジャブをもらい続けるように、時間と
いうスタミナを少しずつ奪われていく。一方の小林二段はほぼノータイムで打ち進める。とい
うのも本局の進行は、2回戦の藍原小林戦と同進行なのであった。そしてその進行は実に34手
目まで続いた。35で黒から変わったわけだが、40までで、残り時間は黒5分、白15分。そして
黒は41でも3分を費やした。小林二段は、豊富な残り時間で着実に偶数を読み切っていた。最
後は1秒未満の残り時間で打ち終えた梅沢四段の終盤の石返しもみ見事であったが、落ち付い
て終盤戦を打ち進めた小林二段に軍配が上がり、神田三段、小林二段が1敗同士の直接対決で、
最終局に新潟名人の座を賭けることになった。


5回戦

神田 VS 小林
|56|25|16|23|24|13|31|  |
|57|36|07|09|14|10|52|47|
|19|18|02|03|04|08|11|22|
|35|20|01|()|##|05|12|46|
|43|38|15|##|()|21|30|33|
|45|44|26|06|17|29|28|37|
|58|50|32|27|39|41|48|49|
|55|59|54|34|40|42|53|51|

神田三段の得意戦法7に、一瞬小林二段の手が止まる。12は以前ベンシーリーが世界選手権で
使用した手だが、神田三段も研究範囲か、慌てず13 。
これまで独自の戦型に持ちこみ、常に持ち時間で優勢に進めてきた小林二段であったが、本局
では逆に持ち時間を多く消費している。
黒優勢気味に進む中盤戦、神田三段は正座の姿勢を崩さず、落ち付いた雰囲気で思考を続ける。
33~35と効果的に種石を消し、白を追い詰める。白は36でたまりかねてb2に。37で神田三段、
優勢を確信したか、姿勢が正坐から胡坐へ。
新潟名人と、本戦シードがかかる一局の終盤。神田三段の着手はあくまで慎重。徐々に残り時
間の差は詰まっていく。しかし局面の差は依然縮まらない。
48を見て、一瞬ギョッとした表情を見せた神田三段だが、冷静に49。あとは勝利へのカウント
ダウンを残すのみである。最後の最後まで時間を使い、勝利を読み切った神田三段が、初の新
潟名人の座に輝いた。残り時間は神田三段8秒、小林二段は1分50秒。

神田三段の本日の栄養補給チョコレートは「Kit Kat」だった。




初の地区名人となり名人戦出場を決めた神田三段のコメント

うれしさのあまりボーーーとして、帰りの電車で降りる駅を通り過ぎてしまいました(汗