~オセロ世界選手権に向けて~
1976年に始まったオセロ世界選手権大会(World Othello championship)も今年で40回目を迎えます。今年のオセロ世界選手権は、なんと日本、オセロの故郷水戸市で開催されます。
今年の世界選手権に見どころがたくさんあります。
日本人選手の優勝は7年連続、そして日本チームの団体戦連覇は11年連続です。
囲碁の世界では、井山棋聖の7大タイトル奪取が話題ですが、オセロの世界でも、日本の名人戦・全日本選手権・王座戦の3大会と世界選手権、全てのタイトル保持者が、現在5名(為則英司、滝沢雅樹、岡本一樹、末國誠、高梨悠介)います。
次に全てのタイトルを手にするのはいったい誰なのでしょうか。
そして、今年からそれぞれ各国の選手枠、ユース枠(~15歳まで)分1枠が追加され、1国最大5名が参加可能になりました。現在小学生グランプリ2連覇中の福地君を含む、最近は大人にも並ぶ実力を持つ小学生達の参戦も楽しみです。

皆様も最近のニュースで囲碁の世界チャンピオンがコンピューターと対局し完敗を喫したニュースはご存知かと思います。「コンピューターは囲碁で人間には敵わない」とされていましたが、最後の砦のこの囲碁の敗戦で、もう人間とコンピューターとの対局には魅力が薄れてしまったのも事実です。
これからは、誰もがわかるゲームを人と人が対戦してこそ面白い、と思う時代がやってくると信じています。オセロの本当の面白さを、世界中の人々に伝えるには、今年のオセロ世界選手権が絶好の機会だと思っています。

オセロ世界選手権に参加する選手には、海外にも強豪選手が多くいます。
コンピューターのような完璧な頭脳を持つ選手、意外な打ち手で相手を悩ませる選手、度胸があって心情が読めない選手など、様々です。
アメリカのベン・シーリー選手はたぶん今年もやってくるでしょう。2014年世界選手権大会では、末国選手と決勝で闘い敗れましたが、その奔放(ほんぽう)な打ち手は、相手選手を翻弄(ほんろう)します。
2015年選手権会場になったケンブリッジ大学。そのケンブリッジ大学の教授でもあるイムレ・リーダーは、ゲームそのものを楽しんでいるかのように打つタイプです。しかも、強い。
アジアには、日本人選手にも劣らないプレーヤーが多く存在します。韓国のリー選手、中国のソウ・ガン選手など、強敵は各国・各地に存在します。

さあ、今年の「2016年 第40回オセロ世界選手権」、どんな熱戦・名勝負が繰り広げられるのか。
本当に楽しみです。
次回は、そんな日本人選手にエールを送ろうと思います。お楽しみに。

サイン

長谷川五郎プロフィール
1932年 水戸市生まれ。オセロの考案者。
現日本オセロ連盟会長。囲碁・将棋五段、チェスも得意。
2015年3月より第40回世界大会(2016年)に向け
「オセロを創った男~五郎のオセロちょっといい話」の寄稿を開始。