2005年新潟地区名人戦 & 第16回新潟オセロチャレンジカップ 

地区名人は梅沢四段 CCは藍原さんが中村初段の4連覇を阻む

新潟市万代市民会館 2005/01/23
変形スイス方式5回戦 持ち時間15分 引分あり

地区名人戦・チャレンジカップともに奇数のため、地区名人戦組と
チャレンジカップ組との間の対戦もあり。相撲でも幕内力士と十両
力士が対戦することがあるが、そのような形式となった。


 2005年新潟地区名人戦  

1.  梅沢 佳紀   梅沢  ○+ 2 ○+ 1 ○+18 ○+ 2 ×-44  4勝 1敗 0分
    新潟        四段  佐々  田井  滝雅  神田  長崎           -21
2.  長崎 秀和   長崎  ×-20 ○+26 △  0 ○+20 ○+44  3勝 1敗 1分
    新潟        二段  滝雅  佐々  松沢  田井  梅沢           +70
3.  神田 吉浩   神田  ○+20 △  0 ○+16 ×- 2 ○+ 2  3勝 1敗 1分
    新潟        三段  五十  松沢  鈴木  梅沢  滝雅           +36
4.  滝沢 雅樹   滝雅  ○+20 ○+52 ×-18 ○+42 ×- 2  3勝 2敗 0分
    新潟        八段  長崎  鈴木  梅沢  松沢  神田           +94
5.  佐々木 禎行 佐々  ×- 2 ×-26 ×- 8 ○+20 ○+34  2勝 3敗 0分
    新潟        三段  梅沢  長崎  中敬  鈴木  松沢           +18
6.  松沢 隆     松沢  ○+42 △  0 △  0 ×-42 ×-34  1勝 2敗 2分
    新潟        二段  本田  神田  長崎  滝雅  佐々           -34
7.  田井 智士   田井  ×-12 ×- 1 ○+ 4 ×-20 ×- 6  1勝 4敗 0分
    新潟        二段  鈴木  梅沢  五十  長崎  中敬           -35
8.  鈴木 信之   鈴木  ○+12 ×-52 ×-16 ×-20 ×- 4  1勝 4敗 0分
    新潟        二段  田井  滝雅  神田  佐々  藍原           -80
9.  五十嵐 利幸 五十  ×-20 ×-34 ×- 4 ×-26 ×- 2  0勝 5敗 0分
    新潟        三段  神田  中敬  田井  上野  宮村           -86

※ この結果表は中島哲也氏作の SLIM を用いて作成しました。
         http://www.othello.org/~nakaji/napp/

地区名人となった梅沢四段のコメント
「久々に地区名人になれたので嬉しいです。(石差マイナスですが・・・)」


第16回新潟オセロチャレンジカップ


 1. 藍原 重朗   藍原  ○+ 8 ○+30 ○+30 ○+ 1 ○+ 4  5勝 0敗 0分
    新潟              上野  岩坂  福地  中敬  鈴木           +73
 2. 中村 敬幸   中敬  ○+38 ○+34 ○+ 8 ×- 1 ○+ 6  4勝 1敗 0分
    新潟        初段  福地  五十  佐々  藍原  田井           +85
 3. 上野 貴之   上野  ×- 8 ○+46 ○+22 ○+26 ×- 6  3勝 2敗 0分
    新潟        1級  藍原  宮村  岩坂  五十  本田           +80
 4. 本田 正治   本田  ×-42 ×- 4 ○+18 ○+ 4 ○+ 6  3勝 2敗 0分
    新潟              松沢  福地  宮村  岩坂  上野           -18
 5. 福地 克規   福地  ×-38 ○+ 4 ×-30 ○+ 2 ○+20  3勝 2敗 0分
    新潟        初段  中敬  本田  藍原  宮村  岩坂           -42
 6. 岩坂 龍次   岩坂  ○+28 ×-30 ×-22 ×- 4 ×-20  1勝 4敗 0分
    新潟        初段  宮村  藍原  上野  本田  福地           -48
 7. 宮村 昌樹   宮村  ×-28 ×-46 ×-18 ×- 2 ○+ 2  1勝 4敗 0分
    新潟              岩坂  上野  本田  福地  五十           -92

※ この結果表は中島哲也氏作の SLIM を用いて作成しました。
         http://www.othello.org/~nakaji/napp/


優勝した藍原さんのコメント
「地区名人戦との合同戦で合流試合もあったので、最初に上と当たらない様
サブマリンが上手くいった。中村さんの4連覇を阻み、久々に優勝できて良
かった。」


地区名人戦

新潟のスイス方式での最初の対戦は、通常は最年少選手が対戦カードを
無作為に2枚ずつ選ぶことによって決まる。一部ではそれを「無邪気な
魔物」と呼んでいる。

その無邪気な魔物がまた1回戦から好カードを選んだ。
滝沢八段 対 長崎二段
梅沢四段 対 佐々木三段

結果から言えば上位段者が順当に勝った形にはなったが、圧巻は梅沢四段
VS佐々木三段。梅沢四段が2石差で勝利をおさめたとき、梅沢四段の残り
時間は1秒であった。あとで佐々木三段が語るには、この梅沢戦で燃え尽
きてしまったとのこと。

1回戦を薄氷を踏む思いで勝ち上がった梅沢四段の前に、今度は田井二段が
立ちはだかった。局面は田井二段優勢であったが、時間切れで梅沢四段が
勝利。1石差勝ちとなった。この時点で梅沢四段は2連勝であるが、石差累
計は+3でしかない。

無邪気な魔物は2回戦にも影響を及ぼした。1敗となった佐々木三段と長崎
二段が2回戦で対戦するという副産物も生んだ。結果的に佐々木三段は2戦
終了時に2敗して優勝の目はなくなった。

2連勝をした梅沢四段は3戦目で優勝候補筆頭の滝沢八段と天下分け目の決
戦。ここまで薄氷を踏む勝ち方であった梅沢四段がここ一番で大豪を寄り
切った。

この2人を追いかけるはずの神田三段と長崎二段も順当には行っていない。
神田三段は2局目で、長崎二段は3局目で松沢二段と引き分けてしまってい
る。この時点で長崎2段は1勝1敗1分。優勝は厳しくなった。

3戦を終わって全勝は梅沢四段1人。しかし石差累計は伸びておらず予断は
許さない状況。追うメンバーは2勝1分の神田三段、2勝1敗の滝沢八段、1勝
2分の松沢二段である。

4局目は梅沢四段VS神田三段、滝沢八段VS松沢二段となった。
梅沢四段は競った局面を読み勝ち、2石差で全勝を守った。一方滝沢八段は
順当に松沢二段を下した。この時点で優勝争いは全勝の梅沢四段と1敗の滝
沢八段に絞られた。

5局目の対戦カード
梅沢四段(4勝   +23石) VS 長崎二段(2勝1敗1分 +26石)
滝沢八段(3勝1敗 +96石) VS 神田三段(2勝1敗1分 +34石)
隣同士で対局することになった。結果如何では1位が逆転する。

対局前の会話
梅沢「神田さん、勝って下さいよぉ。引分けでも良いですから」
神田「20年かかって1勝した相手だ。次に勝のはまた20年後ですよ」
神田三段、62歳になってもオセロしてるつもりらしい。

しかしその20年後のはずの白星が神田三段に訪れた。滝沢八段優勢
の局面ながら決め手が見えにくい。時間に追われた滝沢八段の敗着
によって神田三段の2石勝ち。

滝沢八段の負けを確認した梅沢四段。劣性の局面に淡々と石を置く。
44石差の大差で破れるも新潟名人の地位を獲得した。
4勝1敗石差累計-21という、恐らく滅多に起こらない優勝成績という
おまけ付きで。


チャレンジカップ優勝者参戦記

この大会、16回になるが、13回~15回までを3連覇していた中村初段の
チャレンジカップ史上初の4連覇がかかっていた。
そして、中村初段、就職の為、県外に出るので、おそらく、最後の
チャレンジカップ出場。卒業戦でもあった。

地区名人戦との同時開催であったのだが、地区名人戦・チャレンジカップ
ともに、参加者数が奇数のため、地区名人戦組とチャレンジカップ組との
間の交流戦もあり。 
私は、試合開始の8分ほど前、珍しく遅めに、会場入りしたのだが、
どちらに出ようか迷った。
地区名人に出て、自分の力をぶつけるか・・・
チャレンジカップに出て、中村初段の4連覇を阻止するか・・・
数分迷った挙句、勝率が高い、チャレンジカップ出場を選択。
その時は、交流戦があるなど、露ほども知らなかったが・・・


1回戦
初戦の相手は、新潟の有望小学生、上野一級が相手。
交流戦の事もあり、2戦目から、地区名人戦組と当たるのは阻止しようと
考え、極力、少ない石差での勝ちを狙う。
一方の中村初段、容赦なく、福地初段相手に、優勢を築いて行く。
結果、私が8石差。中村初段が38石差で、中村初段が地区名人戦組と
当たる事になった。


2回戦
2回戦では、中村初段は、五十嵐三段と当たり、私は、岩坂初段が相手。
五十嵐三段、3回戦以降の結果を見ても分かるが、この日は、完全に
接待オセロに徹していたようだ。中村初段、なんなく勝利。
私は、過去、何度か負けていた岩坂初段に対し、中盤まで、極力、優勢を
築かない、サブマリン戦法を取り、なんとか僅差からの大差勝ちを実現。


3回戦
3回戦も、中村初段が地区名人戦組と当たる。
佐々木三段が相手となった。私は、福地初段と対戦。
佐々木三段、初戦で梅沢四段と対戦し、僅差かつ僅時間の対局となり、
そこで燃え尽きてしまったらしく、中村初段がかろうじて、勝利を収
めた。
一方、私は、あらゆる意味で、好きなタイプのオセロを打つ福地初段に
普段通りに打ち、勝利。


4回戦
このままでやっていくと、全勝同士の対局がない可能性もある・・・
という事で、急遽ルール変更し、4回戦で、全勝対決。
この時点で、3位の上野1級が地区名人戦組と当たった。
私と中村初段、チャレンジカップだけだと、私が2勝3敗であるが、
第14回大会で勝ち、第15回大会でも、負けたものの、内容は勝勢で、
終盤の凡ミスによる負けであったので、相性は悪くなかった。

序盤から中盤までは、私の優勢。中村初段、時間を使い過ぎ、残り時間
の少ない状態。第15回大会と同じようなパターンとなった。
そして、またもや、終盤でミス!!
しかし、今回は、中村初段が、最後の一手を打ち、石を返している最中に
時間切れとなり、私の勝利。運による勝ち星であった。

局後の検討で、終盤のミスがなければ、盤上でも、私が勝っていたらしい
事が分かり、終盤力と終盤の精神力の課題が浮き彫りとなる。


5回戦
最終戦では、立場が変わり、私が、地区名人戦組との対戦。
相手は、鈴木二段。鈴木二段には、昨年12月の定期大会で勝っていて、
練習会でも、よく勝つので、鈴木流に惑わせられなければ勝てる相性の
いい相手ではあったが、鈴木流がとんだ曲者で・・・
中村初段も、何故か、地区名人戦組との対局となり、
田井二段との対戦となる。
両者共に、僅差の難しい局となり・・・

私は、中盤まで、互角の形勢で進み、忘れた頃に・・・鈴木流炸裂!
鈴木流とは、角の1個内側のマスに置く、角を相手に取らせる、あまり
よくない手ではあるが、鈴木二段にかかると、マジックになってしまう。
今回も、それで、形勢不明となり、かなり厳しい対局になった。
しかし、なんとかかんとか、踏ん張り、4石差を収め、全勝。

一方の中村初段も、中盤まで、一見、田井二段優勢かと思われる局であったが
終わってみると、中村初段の6石勝ち。


結果、私の優勝となった。
2003年7月以来、2度目の優勝である。
過去のチャレンジカップの優勝者は、何名かいるが、複数優勝となると、
長崎二段、西田四段、中村初段の3名だけであった。その仲間入りが出来た
のは嬉しい。
ただ、殆どの歴代優勝者が、既に有段者となっている中で、私は、未だ、
入段を果たしていない。
課題もたくさん浮き彫りになったし、
しばらく、ゆっくりやってくかな・・・
入段は、結果論であり、目標にする物ではなさそうだし(謎